【ラクロジ備忘録】ラクロジぱうぱー、可能性の模索
はじめに
カードゲームにおける「パウパー/Paupar」とは、MtGにおけるフォーマットの一つであり、このフォーマットではコモンとして収録されたことがあるカードのみ使用できる。
ラクロジパウパー
ラクエンロジックスタンダードでは、「ニーナ」、「夕子」、「万博」が定義戦において非常に強力なコンボを有しており、それら以外のテーマに対して一方的な定義戦を強いることができる。
ラクロジにおけるコモン構築では、それらの要となったカードたちが制限されることで、プレイヤーに新たなデッキの創出を促し、メタゲームの変化が期待される。
案①C+VC
第一案として、コモン(C)及び、バラエティコモン(VC)として収録されたことがあるカードのみを使用できるとする。
図1は、この案において使用できるカードの各定理者、レベル等の項目で分類したものである。
この案において、多くの定理者はレベル4帯におけるカードを1種類しか与えられていない。そのため、ゲーム終盤を担うカードが少なく、デッキ構築において不自由が大きく、特に単名称デッキの構築を妨げる要因となる。
また、各色が持つ「先鋒」能力を持つカードの数に大きく偏りがあり、色によって序盤のテンポアドバンテージを損失する可能性、また先攻後攻の有利不利に影響を与える可能性がある(要検証)。
この案におけるカードプールでは、いわゆる「貫通」能力を持ったカードの不在、「先鋒」、「盟約」能力の不自由さから、スタンダードにおける大味な定義戦とは異なり、わずか一枚、パワー1000が勝敗を分けるような定義戦が行えるのではないか?
案②:案①+UC+SD,TD
案①に、アンコモンと構築済みデッキのカードを追加した場合である。
案①と比較してカードプールが倍近くに増えている。
ゲームの序盤、中盤、終盤を担うカードの選択肢が増え、より多様性に富んだデッキ構築が期待できるのではないか?
また、聖那やひな組等、カードプールはやや少ないが「TC」能力を持つカードが複数使用できる定理者も存在し、案①では苦境を強いられていた定理者にも可能性が見出すことができる。
その他のことは、実際にプレイしていないので考察はここまでとする。
問題点
案①、案②でカードの内訳を示した。
これにより、ラクロジパウパーを提唱するうえでいくつかの問題点を挙げる。
第一に、定理者ごとのカードプールの差である。
特に、「玉姫」と「ニーナ」は各レベル帯や盟約の種類にも恵まれており、単名称で構築しやすい。
一方で、男性定理者や「ヴェロニカ」はカードの種類が少なく、特に「ヴェロニカ」は「TC」能力を持つカードがすべてR以上であり、レベル4帯に含まれる「EXソウル」能力を持つカードがバニラ同然となっている。
また、「くらら」は「先鋒」能力を持つカードがなく、自身の「メーク」能力を十分発揮することができなくなっている。
第二に、色ごとのカードプールの差である。
これは、案②で顕著に目立っており、青は他の色に比べて20枚近く少ない。
青はレベル4帯の選択肢がやや少ない傾向がみられ、プレイヤーが青を選ぶ意思を阻害するのではないか?
第三に、戦術カードの問題である。
ラクエンロジックにおいてほとんどの戦術カードはアンコモン以下として収録されているため、戦術カードにかぎっていえば、スタンダードとほとんど変わらない。そのため、戦術カードの有無に左右されたメタゲームとなる可能性が考えられ、それは賛否の対象となるだろう。
最後に、一部カードパワーの高いカードについてである。
この問題点も、案②におけるものであり、スタンダードにおいて積極的に採用されていた一部の強力なカードたちが顕在であり、他のカードの活躍する場を奪ってしまうのではないか?
例えば、「立ち向かう ニーナ」、「TC」能力を持ち、ストックを使用せずに「LD」を使用できることから非常に優秀なシステムカードである。多くのプレイヤーは、このカードの存在から、「ニーナ」の使用を決定するかもしれない。
あるいは、「豊かさを育む 夕子」、夕子自体のカードプールは少ないが、非常に強力な1枚である。
また、「橘シークレットサービス」や「響き渡る笑い声」を忘れてはいけない。これらのサイクルのカードは赤、黄はレアでの収録であるが、青と緑はアンコモンでの収録である。非常に強力な戦術カードであり、1枚で定義戦を制してしまうことも考えられる。
いくつか問題点をひねり出してみたが、これらはプレイヤーがカードゲームに何を望み、実現したいか、個人の信念によって意見が分かれるところであろう。
最後に
私は、カードゲームに対して、新しい刺激を求めている。たとえそれが終了したカードゲームであってもだ。フォーマットという発明は偉大だ。いくつかの制約は私に新しい刺激を与えてくれる。いろいろなカードの可能性を模索し、新しいキラメキを求める。ラクエンロジックにおいて、パウパーは不適切かもしれないし、新しい刺激になるかもしれない。だが、プレイヤーが可能性を模索し続ける限り、カードゲームの進化に終わりはない、私はそう思う。